プレシャス プレシャスとは
プレシャス プレシャス(Precious Precious)は、ティーインストラクターとして活動中の店長がつくる、オリジナル紅茶を販売するオンラインショップです。
「紅茶は、人とひとをつなぐ。」
こうした思いで、カフェでの紅茶教室や、紅茶を楽しみながらのトークイベント、高齢者施設での1日ティールーム、地域イベントでの紅茶ブースなど、さまざまな場所で、気軽でおいしい紅茶の楽しみ方を紹介する活動をしております。
当店の紅茶は、日本で開発しドイツの工場で製造するフレーバーティー、フルーツティー、ルイボスティーや、インド・スリランカから直輸入の茶葉など、おもにカフェや専門店を経営するお客様へ卸販売し、ご愛用いただいてきた紅茶です。
最近、イベントで出会った方々から「ホームページはありますか?」「インターネットで紅茶を買えますか?」といったお問い合わせを、多数いただくようになりました。
こうした声に背中を押され、このたび「プレシャス プレシャス」のオリジナル紅茶をインターネットでもご購入いただけるオンラインショップを開設する運びとなりました。
プレシャス プレシャスのオンラインショップでは、紅茶をご提供するだけでなく、店長のティーインストラクター活動も併せてご紹介してまいります。紅茶を通して、一人ひとりのお客様と、またお客様同士が「つながる」場所になる、そんなお店を目指しています。
はじまりはクレープ屋さん
1990年代半ば、滋賀県大津市の膳所(ぜぜ)という街に、10坪たらずの小さなクレープ屋さんをオープンしました。
クレープといえば原宿です。店長が大学生のとき、竹下通りで初めて食べた、おしゃれで美味しいクレープにはまってしまいました。毎日食べても飽きない、いっそ自分で作れないだろうか? そう思い立ち、「クレープを焼きたい」の一心で、某クレープのチェーン店でアルバイトを始めました。
もともと食べることも、作ることも大好き。また、洋品店を営む実家で育ち、小さな頃の遊びといえばお店やさんごっこ。接客は自然と身に付いています。楽しんでアルバイトするうちにクレープのレシピもすっかり習得し、、、そうするうちに、いつしか「これでお店をやってみたい」という思いが生まれていたのです。
しかし、大学卒業後はアパレル会社に就職し、その後はイベントコンパニオンや、IT企業の販売部門でPCインストラクターとして全国を飛び回る日々。クレープのお店という夢は心のどこかにしまわれたまま、時間は過ぎていきました。
そんな時、阪神淡路大震災が起こりました。
三宮で被災し、避難することになりました。
それまでの日常を離れたとき、ある問いかけが心に浮かびました。
「今の仕事は、本当に自分のやりたいことなのか?」
自分が本当にやりたいこと。
そう思った時には、もう開店準備に動き出していました。
ちょうど大津にパルコが開店した頃で、なんとなく「若者が集まるかも」と思い下見に行ってみると、パルコへ向かう通りの雰囲気が竹下通りに似ています。その通りで営業していた小さな手芸店さんの店構えがイメージに近かったので、これもその通りにあった不動産屋さんで「あのお店くらいの物件がありませんか?」と聞いてみると、なんとその手芸店さんが3か月後に空くといいます。すぐに手付を払って、水回りと内装の工事に取り掛かってもらいました。
その後も、クレープの味に大きく影響する材料の仕入れ先、パリの街角のような雰囲気を出すための内外装の工事業者、その他もろもろが不思議な縁でトントン拍子に決まり、クレープ店「テ・アッシュ」が誕生したのです。
紅茶への思いと出会い
少し遡りますが、PCインストラクター時代から、紅茶のプロになりたい気持ちはずっとありました。今では紅茶飲料が普及し、紅茶専門店もよく見かけますし、家庭で淹れて飲む方も多くなってきましたが、ひと昔前はそうではなく、もっと気軽においしい紅茶を楽しんでもらえたら、という思いがあったからです。イメージは、パリへ旅行した時、モンパルナスのクレープリー巡りをしていて出会った紅茶。気どらないその紅茶が本当においしくて、その味わいや香り、全体感をいつか再現してみたい、と思っていました。
一方、クレープ店では、生地の味と食感にこだわって材料の粉を厳選し、チョコレートシロップは一般的なものより少しだけビターに調整、求める味に近づけるため複数のメーカーの生クリームを混ぜて毎日店でホイップしたりと、自分の舌でおいしいと感じられるものにこだわりました。メニュー名も「チョコバナナ」よりは「バナナショコラ」など小洒落た感じにして、店の雰囲気も楽しんでいただきたかったのです。そんな姿勢が伝わったのでしょうか、「テ・アッシュ」は順調に成長し、気がつくと3年目を迎えていました。
そんな時、梅田に新設されるショッピングビルに、サンジェルマンをイメージしたフロアができるというので、そちらへ出店の提案をいただき、クレープリー「テ・アッシュ・アロマティゼ」をオープンすることになりました。
おいしく淹れた紅茶をティーポットでお出ししたい、となれば茶葉にはこだわります。そこで当初は、パリで出会ったブランドのものを、個人でフランスから直輸入していた方から分けていただいていました。が、すでに「テ・アッシュ」の隣でカフェ「GMT plus UN」の営業を始めていたこともあって、そうだ!いっそ自分の中にあるおいしい紅茶のイメージを現実のものにするような、オリジナルの紅茶を自力で開発しよう、と思うに至ります。プライベートブランドの立ち上げです。
原料の茶葉の品質はもちろん、フレーバーティーやブレンドティーの製造技術が高く、かつ小ロット生産に対応してもらえる。そんなパートナーを求めて、いくつもの企業からサンプルを取り寄せて、試飲を重ねました。
そして完成したのが、プライベートブランド「プレシャス プレシャス」の最初の紅茶、フレーバーティー「ジャルダンブルー」とフルーツティー「夏の夜」でした。
その後、たくさんのオリジナル紅茶を開発しましたが、「ジャルダンブルー」と「夏の夜」は、おかげさまで、現在もたくさんのお客様にリピートいただくロングセラーとなっています。
紅茶でつながる幸せな時間
10坪たらずのクレープ店から始まった店舗経営でしたが、その後、大津と梅田でさらに2店が加わり、気がつけばお店の数は5つになっていました。少なくない人達に働いてもらいながら経営を続けるには、すべてを自分で作り、自分で接客していた頃とは、また違った気遣いが必要になります。だんだんと疲れを感じるようになってきました。最終的にはいくつかの店舗を譲渡し、最後にオープンした梅田のカフェを中心に続けていましたが、思い切って一度リセットしようと決め、JST(日本標準時)子午線が通る明石に引越しました。
充電期間は3年、と決めていましたが、それが過ぎないうちに、療養中だった父がなくなり、福井県の実家へ戻ることになりました。それからしばらくは、実家での生活やアルバイトをこなす日々。何か新しいことを始めようという気持ちにも、なかなかなりませんでした。
でも、一見何もしていないようにも思えた日々のなかで、知らず知らずのうちにチャージされたものがあったのかもしれません。
実家に戻ってからも、ずっと紅茶を購入してくださる方がいる。地域で開いた小さな紅茶教室に参加され、自分でも淹れてみたいと言ってくださる方がいる。
紅茶をきっかけにした、そんな「つながり」こそが precious(プレシャス)なんだ。
その原点に立ち戻ると、心動かされることが、一つひとつ目の前に現れてきました。
こうしてインターネットにもベースができた今、紅茶とともにある素敵な時間 precious time を、たくさんの人達とシェアし、広げていきたい。。。そんな風に思う今日この頃です。